User interview vol.1

「 土間リビングにオーディオスペースを 」 H様

Q1, 「ご依頼いただく前に、お悩みになっていた点を教えてください」

まず最初にうちにあるオーディオ一式は、知り合いの方々が所有していたものを譲り受けた貴重なものなので、どう納めるかはしっかりと検討し、これしかないと思えるものを用意したいと思ってました。その中で2つの大きな課題がありました。

1つ目の課題は「音質を担保しつつ、機材が空間に馴染むようにする事」です。
空間自体はあまり広くないので、限られた空間の中で無駄なく配置する必要がありました。それと同時に、オーディオ機材が主張し過ぎず暮らしに馴染むようにしたかったので、 空間との調和、音の聞こえ方、使い勝手をバランスよくクリアにするにはどうしたら良いのかという部分で頭を悩ませました。

2つ目の課題は「重量級の機材を安全に収める事」です。
今回譲り受けたオーディオは、どれも1980年代に作られた重量級のものばかりで、例えばスピーカーは片方だけで20kg近くあり、アンプは30kgほどあります。それらをしっかり安全に収める事は、音をリラックスした状態で聴くために必要な要素だと考えました。

その他にも細かい部分ではいろいろありますが、 この2つの課題をクリアにする事が絶対条件でした。

Q2,「パーソナルオーダーをご依頼いただいたきっかけは何でしたか?」
私の場合オーダーで作る事は初めは考えていませんでした。結果としてオーダーで作るしかなかったと言う感じです。最初のうちは既製品の棚を長い間検討しましたし、自作する事も検討しました。
ですが、既製品の棚は、耐荷重はクリアしても収まりが悪く、 自作の棚は、収まりは良くても、素人が作る訳ですから耐荷重の不安が残る。 結論として、二つの課題を同時にクリアにする事は難しいとなりました。

この課題を同時にクリアにする為には家具屋さんに協力してもらうしか無いな。となり、近所で家具を作っている工房を探しました。
そこで仕様の相談、お見積り、オーダー家具についてお話しを伺い、ある程度オーダー家具のベースとなる知識がつきました。
ただ理想の仕様を全て実現する為には、費用感が合わず悩んでおりました。そんな時にInstagramで「PYTHAGORA」さんの広告を見つけました。 オーディオに特化した工房と言う事もあり、 一度相談だけでもしてみようかな思いお声がけさせていただいたのがきっかけです。

Q3, 「パーソナルオーダーのサービスを受けていかがでしたか?」

今回のケースにはとてもマッチしていたサービスだと思いました。
ご納品いただいた今でも、お願いして良かったと思っております。

全部で2回来ていただきましたね。
初回はご相談のお電話をしたあと、すぐにデザイナーさんに来ていただいて、どんな風にオーディオを愉しみたいか、どこにどんな風に配置したいのかを私からお伝えさせていただき、そこに対してデザイナーさんからご提案いただき、対話する形で仕様を詰めていきました。

その結果、材を変える事で理想とする仕様を予算内で収められるという事が分かり、まずはお見積りからお願いする事にしました。
2回目は、ほぼ確定した仕様と、実際のオーディオ機材、お見積り等を突き合わせて、細かい部分の確認や調整を行いました。実物をデザイナーの方(設計される方)に見ていただけるのはとても安心ですね。この打合せで家具全体の仕様がほぼ確定し、制作を進めていただくようお願いしました。

一番印象的だったのは、初回の打ち合わせ時に、 デザイナーさんとお互いの好きな物や、興味があるものを話した事ですね。

お互いミッドセンチュリーの家具に興味がある事や、建築が好きだという事が分かり細かいニュアンスなど意思疎通がしやすそうだなと感じました。
好きなものを語るデザイナーさんの表情から仕事に対する熱量も感じ、今思えばこの時に直感で「(今回の制作に)合うな」と思えた事が、ご依頼した一番の決め手だったのかもしれません。
メールなどの文面だけでは、こんな風に話が広がる事ないかと思いますので、 これも対面での打ち合わせが可能な「TAILOR」の良さだと感じました。
Q4,「 工場に来てみたいと思ったきっかけと、感想をお聞かせください。」

オーダーで作るメリットは、理想とする仕様で家具を作れる事ですがその反面、 費用面では既製品と比べると割高にはなります。ですので家具を作っておしまいではなく、 オーダー家具を選んだ事で得られる、他の付加価値を付けたかったんです。
それが、制作現場を自分の五感で感じる事でした。
どんな方が、どのような場所で、何を想って作っているのかを感じる事は、 自分の人生においてとても良い刺激になるのではないかと思い、それはオーダーでしか得られない大きなメリットだと思いました。

さっそく見学したい旨をデザイナーさんにお伝えしたところ、ご快諾いただき実現しました。 (デザイナーさんと共に)試行錯誤して検討した家具が目の前で組み立てられているのを見ながら、 職人さんからご説明いただき、とても貴重な時間だった思います。 その他にも、工場の設備など、丁寧にご説明いただき、 ここには書ききれないくらいの、沢山の貴重なお土産(お話)をいただきました。
Q5,「 ご納品はいかがでしたか?」

トラブル等もなく、手際良くスムーズに納品していただきました。
納品に至るまでに、工場見学に行ったりなど、何度もコミュニケーションをとっていましたし、 その中でも信頼できるパートナーだなと感じておりましたので、特に不安もありませんでした。

また棚を納品するだけではなく、オーディオ機器をセットし、音が出るところまで対応いただきました。
オーディオに詳しい「PYTHAGORA」さんだから出来た仕事だと思います。
設計フェーズから納品まで不安がなく本件を進められたは、 間違いなくオーディオ機器に明るく、人を大切にする「PYTHAGORA」さんだったからですね。
良い仕事を見せてもらいました、費用以上の価値を提供いただきとても感謝しております。
Q6,「 今後どんな変化がありそうですか?」

レコードを買う量は増えると思いますね。
今まで都内のカフェにレコードを置かせていただき聴いていたので、 お客様の邪魔にならないよう、お店の雰囲気に合わせたものを買っておりました。

これからは24時間、聞けますからね。
その時の感情にすっと馴染む、音楽をかけたいなと思っております。ジャンルもjazzに絞らず、自分が気持ちいいと感じるものはどんどん揃えていきたいなと。

時代を超えて今も現役で音を出すレコードは、とても不思議で魅力的な存在です。過去から紡がれた音が、現代を生きている自分の生活の一部になりとても嬉しいです。

そんな環境の中で、今後自分がどのように変わっていくのかも楽しみですね。
Q7, 「音楽を聴く事に対しての想いを教えてください。」

自分はプロでは無いのであまり音楽を語るのは、得意では無いのですが。自分に限った話をするのであれば、最近は音楽を聴くのではなく、音を受けて自身の行動の変化を愉しんでいます。
例えば、jazzを聴いていたら、なんとなくコーヒーを飲みながら本が読みたくなった。 みたいな、これも行動の変化です。

また、音は人と会話をする際にも良いつなぎになると思っております。 口は災いの元といいますから、私は言葉数は少なく、本当に話したい事だけを話すのが良いなと思っています。ただそれだと、どうしても「間」が生まれまて、間があくほど重い雰囲気になり妙に緊張感が出てきてしまう。その点、音楽が流れているとこの「間」が急に心地良いものに変化するんです。 「しゃべっても、しゃべらなくても良いよ。」というような、肩の力が抜けた暖かい時間が流れます。

プロの方は分かりませんが、聴き手としては好きなもの聴けばいいと思っております。 その中で自分で理想とする環境が欲しいなと思った時は、一度「PYTHAGORA」さんに相談してみるのも良いかもしれません。